半分近くまで読み終えたのに、そこから2週間近く全く読まなかったため前半の内容が曖昧になってしまい、結局再読することになった。
だがそのおかげで整理しながら読むことができてありがたかった。
ロラックはクリスティやセイヤーズと同じく本格推理趣向の女流作家で、クリスピンやブランドのような独特なユーモアと知的センスが持ち味だ。
基本的に主役探偵のマクドナルド主任警部による捜査と尋問が大体を占めるが、その過程を飽きさせないための情景描写や心理描写を多く取り入れている。
すれ違う人の顔さえ霞がかかるほどの濃霧が立ち込める中、大胆にも警察車の中から見つかったメフェストフェレスに仮装した男の死体という魅力的な謎もさることながら、複数の証人から犯行当時の現場状況を再現しようとする論理性の試みに強く感心した。
スポンサーサイト
コメント