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龍神池の小さな死体
私からしたら驚異的ともいえる速さで、「龍神池の小さな死体」を読み終える。どうやら復刊されたというステータスが功を奏したのだろう。この梶龍雄という作家は作品とともに貴重で珍しい。長い間、そうそう手軽に読める作家ではなかった。そんな状態が長期間続いた現在、徳間書店が復刻させたという事実に、感慨深いものを感じていることは以前述べた。しかし、入手困難な梶作品がいとも簡単に新刊で出てしまった。しかもその作品...
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私からしたら驚異的ともいえる速さで、「龍神池の小さな死体」を読み終える。どうやら復刊されたというステータスが功を奏したのだろう。この梶龍雄という作家は作品とともに貴重で珍しい。長い間、そうそう手軽に読める作家ではなかった。そんな状態が長期間続いた現在、徳間書店が復刻させたという事実に、感慨深いものを感じていることは以前述べた。しかし、入手困難な梶作品がいとも簡単に新刊で出てしまった。しかもその作品...
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最近、クロフツの「製造所の秘密」を読み終えた。「樽」「ポンスン事件」を読んだのがおよそ10年前。本作から感じたことは、クロフツは風景描写が膨大で、読んでいて疲れるということだ。戦前か戦後、クロフツ作品を妙訳の方が良いと評価されたこともあるらしく、これは的を射ている。風景描写はそれなりに省略しても問題はない。クロフツといえば本格物という印象があったが、本作は本格は本格でも、殺人は副次的要素であり、本題...